CRTスキャナーとは何か
CRTスキャナーは、多数の銘柄と時間足を監視し、1つのCandle Range Theoryパターンを探す自動ツールである。前のローソク足の高値または安値をヒゲで抜いてliquidityを取り、その後、実体が前のローソク足のレンジ内へ戻って閉じる形だ。
チャートを1枚ずつめくる代わりに、検出済みのセットアップを一覧で読む。
価値はカバレッジと規律にある。Candle Range Theoryのセットアップは定義こそ単純だが、見落としやすい。確定するのはローソク足が閉じた瞬間であり、どの銘柄、どのセッション、どの時間足にも出現するからだ。
スキャナーは各ローソク足が閉じるたびにすべてを確認する。寝ている間や1枚のチャートに集中している間も、候補が抜け落ちない。LiquidityScanのCRTエンジンはこれを実行し、各結果に評価を付けるので、チャートを開く前に質を見極められる。
手作業がスケールで崩れるのはここだ。手動でCRTを探すなら、監視リストだけでなく数百の銘柄を、複数の時間足で同時に、アジア、ロンドン、ニューヨークの各セッションにわたって再確認しなければならない。
しかも毎回、正確なルールを照合する必要がある。そうしなければ、前のレンジを本当にsweepした形と、単なる拒否ヒゲを取り違える。相場全体を毎時スキャンし続けて、セットアップを落とさず疲弊もしないトレーダーはいない。この反復確認こそ、スキャナーが引き受ける仕事である。
Candle Range Theory、sweepして回帰するロジック
Candle Range Theoryでは、前のローソク足の高値から安値までを、待機注文が集まるレンジとして扱う。明確な高値や安値のすぐ外側には、損切り注文や逆指値注文が集まりやすい。だから両端はliquidity poolになる。価格がその一方を抜いても、真のブレイクではなく、集積したliquidityを取りに行く動きであることが多い。
CRTのシグナルは、そのブレイクの失敗だ。ローソク足が前の高値の上、または前の安値の下へヒゲを伸ばして損切り注文を発動させ、その後、実体が前のレンジ内へ戻って閉じる。この拒否が手掛かりになる。
継続する力は尽き、sweepが目的を果たす。価格はその後、レンジの反対側へ向かって回転することが多い。
平たく言えば、強気のCRTは失敗した下方向のsweepである。ヒゲが前の安値を抜く一方、実体はレンジ内で閉じる。安値は自然に割れたのではなく、作られた可能性を示す。弱気のCRTはその逆だ。ヒゲが前の高値を抜き、実体がレンジ内へ戻って閉じ、上方向のブレイクが拒否される。
これはliquidity sweepや、より広いDraw on Liquidityで説明される値動きと同じ系統にある。それを2本のローソク足の関係に圧縮したものがCRTだ。
CRTスキャナーが検出するもの
エンジンはCandle Range Theoryを、確定した2本のローソク足に適用する、検証可能な明確なルールとして処理する。3つの条件がすべて揃ったときだけセットアップになる。これが一覧をノイズだらけにしない。
1. ヒゲが前のレンジをsweepする
シグナルとなるローソク足のヒゲは、前のローソク足の極値を超えなければならない。強気のCRTなら前の安値の下、弱気のCRTなら前の高値の上だ。これがliquidity grabである。sweepがなければ、セットアップもない。
2. 実体がレンジ内へ戻って閉じる
sweepの後、シグナル足の実体は前のローソク足の高値・安値の範囲内で閉じなければならない。これが、明確なブレイクと本物のCRTを分ける拒否である。実体がレベルの外側で閉じたなら、レンジはsweepされたのではなく破られた。CRTではない。
3. シグナル足の実体が小さい
シグナル足の実体は、前のローソク足の実体より小さくなければならない。sweepの後に現れるコンパクトな拒否の実体は、新たな方向性の力というより、吸収と勢いの停滞を示す。Candle Range Theoryはこの挙動を前提にしている。
この3つの確認は機械的なので、スキャナーはすべての銘柄と時間足に同じ条件を適用する。裁量での目視判断はない。知名度の低い銘柄のCRTも、BTCUSDTのCRTも同じ基準で扱われる。
エンジンは銘柄と時間足ごとに、最新のCRTを1つだけ残す。古いセットアップが積み上がるのではなく、現在の形を確認できる。
STRONG、WEAK、FAILEDの評価で質を絞る
検出だけなら、技術的には成立したものの、その後何も起きないsweepまで大量に並ぶ。CRTスキャナーは、セットアップ形成後の次の1〜2本のローソク足が実際にどう動いたかを基に、進行状況を評価する。見た目だけのラベルではない。
- STRONGは、sweep後の継続が確認された状態だ。拒否の後、次のローソク足の実体終値がセットアップの方向へ動き、レンジ内へ戻り、さらにその先まで進んだ。本物のliquidity grabで見たい継続である。
- WEAKは、セットアップは形成されたが、確認の勢いが弱く、価格がまだ方向を決めていない状態だ。有効なCRTではあるが、まだ実力を証明していない。
- FAILEDは、継続が起きなかったか、価格がsweepした極値を再び抜いて見立てを無効にした状態だ。そのsweepは、結局安値でも高値でもなかった。
後続のローソク足を実体終値で評価する点には意味がある。ヒゲのノイズを無視し、足が実際に落ち着くまで待てるからだ。実務では評価を選別の層として使う。STRONGは詳しく確認し、WEAKは監視に回し、FAILEDは取引材料ではなく破棄する証拠として扱う。
この評価が勝率や確率の数値になることはない。形成後にセットアップがどう振る舞ったかを示す、定性的な状態である。
時間足の範囲と非リペイントが必要な理由
スキャナーは、時間足以上の時間足である1h、4h、1d、1wに加え、1時間未満の15mと5mでもCRTを検出する。この範囲なら、自分のスタイルにパターンを合わせられる。1dや1wのCRTはスイング水準のsweepと上位時間足の方向性を捉え、15mや5mのCRTは日中のセッション単位でエントリーを考える材料になる。
これらの検出はすべて、確認済みの確定足だけを使う。形成中のリアルタイム足は評価前に必ず除外される。これがシグナルを非リペイントにする。フィードに現れたCRTは、その足が閉じた後に消えたり変わったりしない。完成したデータから検出されているからだ。
ここで非リペイントは付加的な機能ではない。CRTの評価構造そのものに組み込まれている。sweepしたヒゲ、レンジ内で閉じた実体、後続する実体終値で測る継続。この3つは、ローソク足が完成して初めて確認できる。
形成中の足を評価するツールなら、次のティックで消えるセットアップを表示してしまう。終値を待つことで、スキャナーは実際の判断と、後からの正直な検証に耐える安定した情報を返す。
CRTの具体例と毎日の運用
ETHUSDTの4hがレンジ内で推移し、直前の4h足が明確な安値を付けたとする。その安値は、損切り注文が置かれそうな分かりやすいサポートと重なっている。次の4h足がその安値を下へヒゲで抜き、待機していた売りの損切りを発動させ、前のローソク足のレンジ内で実体を閉じる。実体は前の足より小さい。
これは強気のCRT、失敗した下方向のsweepである。4h足が閉じた瞬間に、スキャナーが表示する。
続く1〜2本の4h足で、価格がレンジ内へ上向きに戻って閉じた。エンジンはこのセットアップをSTRONGと評価する。これで、安値の下にあった売り側のliquidityが取られ、拒否されたという具体的で時刻の明確な読みが得られる。自分の方向性判断に関係する時間足での話だ。
この形を毎日の手順に落とすと、次のようになる。
- スキャン画面でCRTと評価を確認する。フィードを開き、自分が取引する時間足に絞り、STRONGとWEAKのセットアップを確認する。
- 上位時間足の状況を加える。sweepの方向は自分のバイアスと一致しているか。上位時間足が強気で、強い下降トレンドに逆らうのではなく、価格がdiscountへ入り込んでいるなら、強気のCRTはより注目に値する。
- sweepされたレベル自体を調べる。それは明確なliquidity poolか、equal lowか、セッション安値か、前日の極値か。人為的に作られたように見えるレベルほど、sweepの意味は大きくなる。
- 自分の計画に従って執行する。スキャナーが示すのはセットアップと方向性までだ。エントリーのトリガー、sweepのヒゲの外側への損切り、利確水準、ポジションサイズは自分で決める。
スキャナーは1つ目と、2つ目の一部を圧縮する。3つ目と4つ目までは代替しない。そこに自分の優位性とリスク管理がある。
手作業でCRTを探す場合とCRTスキャナーの違い
トレードオフは明快だ。手作業なら状況をすべて見られるが、カバレッジは限られる。スキャナーなら市場全体を同じルールで確認でき、そのうえで状況判断を自分に返してくれる。
| 作業 | 手作業でCRTを探す | CRTスキャナーと評価 |
|---|---|---|
| 確認する銘柄 | 監視できる一部の銘柄 | スキャン対象となる市場全体 |
| 時間足 | 自分が切り替えて見るもの | 1h、4h、1d、1wに加えて15mと5m |
| セッション | 画面の前にいる時間だけ | 24時間、各ローソク足の確定時 |
| ルールの一貫性 | 集中力や疲労で変わる | 毎回同じ3条件 |
| 質の判断 | 後から目視で判断 | 後続の終値によるSTRONG / WEAK / FAILED |
| リペイントのリスク | 形成中の足で判断したくなる | 確定足で検出、非リペイント |
| エントリー、損切り、利確 | 自分で決める | 自分で決める、スキャナーは提示しない |
CRTスキャナーの正直な限界
このツールが何をし、何をしないのかは明確にしておく。CRTスキャナーは定義されたパターンを表示し、形成後の値動きを評価する。次のことは行わない。
- 数値の利確目標は出さない。CRTの出力は定性的である。エントリー価格、損切り、利確、リスクリワードの段階設定は付かない。STRONGは値動きの状態であり、目標価格でも予測でもない。
- 評価は勝率ではない。STRONG、WEAK、FAILEDが示すのは、確定足で見た継続だけだ。それ以上ではない。プラットフォームは正確性の割合を計算も公表もしない。ラベルから勝率を読み取るべきではない。
- リスクは自分で負う。ポジションサイズ、sweepから離す損切り幅、上位時間足の状況が取引を正当化するかどうかは、自分の判断である。スキャナーはセットアップを整理するが、取引を管理しない。
- 状況判断は省けない。優勢なトレンドに逆らうSTRONGのCRTや、誰も意識していないレベルをsweepしたCRTは、評価だけから受ける印象より弱い。評価は複数ある判断材料の1つにすぎない。
この前提で使うなら、CRTスキャナーはカバレッジと一貫性のためのエンジンである。確定足に基づき、市場全体から有効なCandle Range Theoryのsweepを拾い、継続を評価して選別できる。チャートを延々と切り替える作業ではなく、状況とリスクに注意を使える。
よくある質問
CRTはliquidity sweepと同じものか
CRTはliquidity sweepを2本のローソク足で具体化した形である。sweepは、レベルを抜いて損切り注文を取る動き全般を指す。Candle Range Theoryでは、ヒゲが前のローソク足の極値をsweepし、実体が前のレンジ内で閉じ、さらにシグナル足の実体が前の足より小さいという条件が加わる。
CRTのセットアップに最適な時間足は何か
唯一の最適な時間足はない。スタイル次第である。1dや1wのような上位時間足はスイング水準のsweepとバイアスを捉え、15mと5mは日中のセッション単位の読みを与える。上位時間足のCRTで方向を見て、下位時間足のCRTでタイミングを取るトレーダーも多い。両方をカバーする意味は大きい。
CRTスキャナーは後からシグナルをリペイントしたり変えたりするか
しない。検出は確認済みの確定足だけで行い、形成中の足は必ず除外する。ローソク足が閉じた後に表示されたCRTが、後のティックで消えたり変わったりすることはない。STRONG、WEAK、FAILEDの評価は後続する確定足に応じて更新されるが、最初の検出自体は固定される。
CRTスキャナーはエントリーと決済の場所を教えてくれるか
教えない。CRTの出力は定性的で、エントリー、損切り、利確は付かない。スキャナーが特定するのはsweepしてレンジへ戻るパターンと、その後の継続の評価である。トリガー、sweepのヒゲの外側に置く損切り、利確、ポジションサイズは、自分の計画とリスクに基づいて決める。
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