多くのトレーダーは価格だけを読み、時間を無視する。ICT の Quarterly Theory は、その常識をひっくり返す発想だ。市場は、繰り返し現れる四半期に分割できる時刻表に従って価格を動かしている、というのが主張の核だ。
一度この構造が見えると、セッションはランダムには映らなくなる。各四半期には担う役割があり、その役割は年次サイクルから数分のサイクルまで、同じ形で反復される。
Quarterly Theoryとは何か
Quarterly Theory は時間のモデルだ。あらゆる相場サイクルは Q1 から Q4 までの4等分に区分でき、価格は各区間で予測しやすい振る舞いをする。それがこの理論の主張だ。
核心はフラクタルにある。同じ4拍子のリズムが、年、月、週、日に現れ、ひとつの90分ブロックの中にまで嵌め込まれている。
ここでいう時間の基準は NY 時間であり、自分の腕時計ではない。全員が同じセッション境界から測って初めて、後述の基準点が噛み合う。だからこの前提は軽視できない。
時間を4つの四半期に分ける
このモデルはサイクルの入れ子だ。年の四半期の中に月が収まり、月の四半期の中に週が収まる。日次の四半期は90分ブロックで構成され、各90分ブロックはさらに約22.5分のミクロ四半期へ分割される。
下の表は、同じ4分割が各スケールでどう繰り返されるかを示す。上から下へ、ズームインするつもりで読んでほしい。
| サイクル | 全体の長さ | 1四半期 | Q2の時間帯(True Openゾーン) |
|---|---|---|---|
| 年次 | 12ヶ月 | 約3ヶ月 | 4月〜6月 |
| 月次 | 約4週間 | 約1週間 | 第2週 |
| 週次 | 月曜〜金曜 | 約1日 | 火曜日 |
| 日次 | 24時間 | 6時間 | NY 時間 6:00〜12:00 |
| 90分 | 90分 | 約22.5分 | 第2ミクロブロック |
パターンに気づいただろうか。私が注目するのは、どのサイクルでも第2四半期だ。基準となるオープンが置かれ、本物の動きの前に操作が完了しがちな場所だからだ。
True Open
True Open とは、サイクルの第2四半期が始まる瞬間の価格のことだ。日次サイクルでいえば、午前0時でもセッション開始のベルでもなく、NY 時間午前6時のオープンがそれに当たる。
なぜ第2四半期なのか。Quarterly Theory は Q1 を、往々にして偽りの地合いを刻む蓄積フェーズと見る。True Open はそのノイズを濾過し、よりクリーンなバイアスの基準線を与えてくれる。
実践では、True Open をチャートに引いて、価格がその線とどう向き合うかを観察する。上で推移すればそのサイクルは強気寄り、下なら弱気寄り。市場の意図を測る、進行形のスコアボードになる。
市場は公表されたスケジュールで開き、閉じる。だからこそ、自分の時計を取引所のセッションに合わせることが土台になる。米国セッションの境界を確定させたいなら、CME Group の取引時間のページが確実な拠り所だ。
各サイクル内のAMD
AMD は蓄積、操作、分配の頭字語だ。Quarterly Theory はこの3段階の物語を4つの四半期に割り当てる。Power of 3 の概念とも密接に重なる部分だ。
Q1 は蓄積。価格はレンジで揉まれ、ポジションが積み上がる。Q2 は操作。最終的な方向とは逆側へストップ狩りが走り、True Open を取り囲む流動性が liquidity sweep されることが多い。
Q3 は分配。サイクルが本命を明かす、真の拡張局面だ。Q4 は継続か反転。多くの場合、次のサイクルの蓄積へと滑り込んでいく。
第2四半期がこれほど注目される理由はここにある。操作の脚こそ、本物のトレンドを孕む罠だ。そして True Open は、そのど真ん中に位置する。
Quarterly Theoryの売買への組み込み方
進め方は、上位から下位への整合だ。まず上位サイクルの四半期とバイアスを確定させる。その次に、向きの合う下位サイクルのセットアップを探す。
例を挙げよう。週次サイクルが Q3 の分配フェーズにあり、上向きだとする。私は日次か90分のサイクルで、その自らの Q2 操作が完了した後に現れるロングの入口を探す。
実際にエントリーが発火するのは、90分とミクロの時間帯だ。ここでその説明を繰り返すことはしない。代わりに、下に貼ったマクロタイムと kill zone の記事に頼り、揃えた四半期の中で引き金を引く瞬間を計る。
LiquidityScan のようなツールがあれば、今どのサイクルにいるのかを誤魔化さずに済む。上位の四半期の筋書きに逆行する、下位時間足の無理なエントリーを防げるのだ。
限界
Quarterly Theory はフレームワークであって、保証ではない。サイクルが常に綺麗に走るとは限らない。操作の脚が、整った四半期の境界を大きく超えて伸びることだってある。
このモデルは、正確で一貫した時間の基準に依存する。時計やセッションの定義がずれれば、True Open も四半期のラベルも一緒にずれる。すると優位は蒸発する。
単体のシグナルとしてではなく、構造と流動性に重ねるバイアスフィルターとして扱うこと。実戦で信頼する前に、自分の相場でバックテストを通しておけ。
よくある質問
Quarterly TheoryにおけるTrue Openとは?
True Open は、サイクルの第2四半期が始まる時点の価格だ。日次サイクルなら NY 時間午前6時に相当する。Q1 序盤のノイズを濾過できるぶん、通常のセッション開始値よりもクリーンなバイアス基準として機能する。
Quarterly TheoryはAMDやPower of 3とどう関係するのか?
Quarterly Theory は蓄積、操作、分配を4つの四半期に割り当て、操作を Q2、とりわけ True Open の周辺に集中させる。これは Power of 3 の根底にある蓄積・操作・分配の論理と同じもので、時間のグリッド上に表現した形だ。
Quarterly Theoryはkill zoneやマクロタイムと同じものか?
違う。kill zone とマクロタイムは、活動すべき具体的な日内の時間帯を定めるものだ。Quarterly Theory はより大きなフラクタルな時間サイクルのモデルであり、それらの時間帯をエントリー計測に使いながら、入れ子になったサイクル構造全体を記述する。
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