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· 基本概念 · 1 MIN READ · UPDATED 2026年9月12日

ICTのマーケットストラクチャーとは?BOS・MSS・CHoCHの見分け方

ICTのマーケットストラクチャーとは?BOS・MSS・CHoCHの見分け方

ICT の言葉でいえば、マーケットストラクチャーとは価格がどう届けられてきたかを順番に地図化したものだ。その骨格を成すのはスイングハイとスイングローであり、それぞれが <a href="/blog/what-is-a-break-of-structure-bos">Break of Structure(BOS)</a>で確定するか、MSS(Market Structure Shift)で反転するかによって、相場の地図は書き換わっていく。

要点

  • 構成要素: マーケットストラクチャーは、意味のあるスイングハイとスイングローから組み上がる。この二つが、今後の値動きを読むための基準点になる。
  • 継続か、反転か: Break of Structure(BOS)は既存トレンドの継続を裏付け、MSS、別名 CHoCH はトレンドに逆行する反転の可能性を告げる。
  • displacement が全て: 本物の構造ブレイクには displacement、実体の詰まったローソク足が運ぶ力強い値動きが要る。レベルを終値で超えきれない弱いブレイクは、たいてい liquidity sweep にすぎない。
  • レンジを定義する: 確定したストラクチャーの一段ごとに新しいレンジが生まれる。これを premium and discount に分割して測れば、期待値の高いエントリー領域が浮かび上がる。

ICTのマーケットストラクチャーの見つけ方

市販の講座で教わる「高値切り上げ、安値切り上げ」という教科書の定義は、ここでは一旦忘れるといい。機関の目線で問われるのは、無数にある高値と安値のうち、どれが実際に効くのかという見分けの方だ。作業は、検証済みのスイングポイントをチャートに打ち込むところから始まる。

スイングハイとは、すぐ左右のローソク足よりも高い高値をつけた足のことだ。スイングローはその逆で、左右の安値より低い安値をつけた足を指す。この二点が土台になる。あとは、価格がこれらのポイントにどう絡んでくるかを見るだけだ。

以降に起きるイベントは、主に二種類だ。

  1. Break of Structure(BOS): トレンド方向へ、守られるべきスイングポイントを displacement を伴って突き破ったときに発生する。上昇トレンドなら、直前のスイングハイを勢いよく抜ける場面がそれだ。これで オーダーフローがまだ買い方向であることが確認できる。
  2. MSS(Market Structure Shift)、別名 CHoCH: 反転の最初の合図。直近のトレンドに逆らう形で displacement を伴い、最後のストラクチャーハイまたはローを生んだスイングポイントを破ったときに起きる。

CME Group のような主要取引所がマーケットストラクチャーを参加者とルールで定義するように、世界にはいろいろな定義がある。ただし裁量トレーダーに関係があるのは、そこに現れるフラクタルのパターンだ。肝は本物のブレイクと偽物の見分けで、すべてのブレイクが同じわけではない。この一事、私が痛い思いをして覚えた教訓だ。NYセッションの EUR/USD 1時間足では、直前高値の上へヒゲを伸ばして崩れる動きを何度も目にしてきた。displacement を伴う実体の終値確定がなければ、それは BOS ではなく、買い側の流動性を狙った judas swing だ。

強気のストラクチャーと弱気のストラクチャー

BOS の向きが、今の相場の状態を決める。しかもこれは静的なラベルではない。ローソク足ごとに書き換わり続ける物語だ。

強気構造

強気相場は、高値と安値を交互に切り上げていく。新高値が BOS で確認されるたびに新しいレンジが成立し、そのレンジは上昇の起点となったスイングローから新しいスイングハイまで伸びる。押し目はレンジの discount 側で支えられるのが普通で、具体的には fair value gap(FVG)や強気の order block で反応することが多い。最後の高値を生んだスイングローを価格が守り続ける限り、構造は強気のままだ。

弱気構造

逆に弱気相場は、安値と高値を切り下げながら進む。下方向への BOS が弱気のオーダーフローを確認する。有効なレンジは、下落の起点となったスイングハイから新しいスイングローまでだ。このレンジの premium エリアへの戻りは、売りを検討する場面として扱われる。最後の安値を生んだスイングハイを破らない限り、構造は弱気のままだ。

強気相場が高値を更新できず、最後の切り上げ安値を displacement とともに割ったなら、それが MSS だ。市場が『買い優勢から売り優勢へ、根っこの流れが変わりつつある』と告げている瞬間である。

ストラクチャーが物語を作る

マーケットストラクチャーは、ほかのすべての ICT 概念が載かる土台であり、市場がどこへ流動性を引きに行くのかを教えてくれる。古い高値と安値は 外部レンジの流動性、すなわち買い側と売り側のストップ群だ。一方、ストラクチャーの一段の中に残された非効率、たとえば FVG は内部レンジの流動性に相当する。

ICT 概念が描く典型的なアルゴリズムはこう動く。まず外部の流動性を取りにいく。次に価格をレンジ内へ戻し、内部の流動性が眠る地点で均衡を回復させる。そして再び外部の流動性へ手を伸ばす。この順序を掴むことが完全なナラティブ構築の出発点で、詳しくは 決定版 ICT マーケットストラクチャー フレームワークのガイドにまとめている。

LiquidityScan はこの分析の自動化を担う。たとえば CISD(Change in State of Delivery)エンジンは、MSS の前兆にも確認にもなりうるオーダーフローの転換を検出するために作られている。物語が変わる瞬間を、感覚ではなくデータで早く掴むための道具だ。

Hayk Muradian

Hayk Muradian

Founder & Lead Analyst at LiquidityScan · 12+ years ICT/SMC trading · Institutional order flow specialist

Hayk Muradian is the founder of LiquidityScan, a professional trading intelligence platform built for ICT (Inner Circle Trader) and Smart Money Concepts (SMC) traders. With over a decade of hands-on experience reading institutional order flow across crypto, forex, and futures markets, Hayk specializes in identifying liquidity events, order blocks, and CISD setups on closed candles.

He built LiquidityScan after years of frustration with retail charting tools that ignored the mechanics institutions actually use. The platform now scans 400+ markets in real-time, surfacing the same patterns floor traders watch — without the noise.

Hayk writes about the methodology behind ICT and SMC, with a focus on practical, data-driven analysis rather than hype.

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